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都響を聞いて思う演奏の良し悪し [偉そうな一言]

東京都交響楽団の定期演奏会を聞いてきました。曲はショスタコービッチの交響曲第7番のみ。
まずはバイオリンの音がよいと感じました。都内のオーケストラを聞くことは久しぶりなので、どこも同じようなものかもしれませんが、後から都内オケをよく聞きに行く友人の話でも都響のバイオリンはいいということでした。そんないい席ではなかったので、もっといい席だったらとは思いました。

1楽章でスネアドラムが打ち続ける部分があり、レベルのボレロに似ていますが、リズムが難しいです。この部分、オケのタクトがやや不正確なだけでもスネアドラムは叩きにくくなることは間違いないですが、かろうじて問題なく叩いていたのは見事でした。オケのタクトの不正確さは日本のオケではやや仕方ないと思います。そして、タクトの不正確さの自覚はおそらく奏者にはないと思われました。私自身が普段からタクトには異常に注意して練習しているので、こんなこと言うのは私ぐらいだと思います。

2楽章、3楽章で弦の聞かせどころがたくさん出てきて、やや歌い方が単調で不満を感じていましたが、もっと不満だったのは指揮者のインバルが声を出して歌っていてことでした。後から考えると、弦楽器の歌い方が足りないからそのために声を出していたのかも、と思いましたが、演奏中は気が散って音楽を聴く妨げになっていました。とても残念。

声を出す日本人指揮者が結構いますが、まずそういう指揮者はどんなに評価が高くても聞きたいとは思いません。大きな理由の一つは楽譜にはそれが書いていなからです。楽譜をめくる音さえ気にして演奏するのが普通ですから、声に出すなど論外なのです。もちろん、意識的に呼吸の音を大きく出すなども論外。無意識に出ちゃうのは仕方ないところがありますが。さらに、例えば、歌いながらダンスをするのはポップスでは当たり前ですが、ダンスのみに専念すべきところを歌の部分で口を動かすと、注意がそちらに向かいます。ダンスに向けるべき注意が損なわれるのです。決していいことではありません。

4楽章はショスタコーヴィッチらしいところがありますが、そこが足りない感じでした。例えば、5番などに見られる、音が弱くても緊張感がある場合のような、それが全くありませんでした。最後の頂点に向かうところなども、物足りなかったです。

7番はショスタコービッチの名曲であると感じることができたので、全体として決して悪い演奏ではないのですが、やはり物足りなさを感じてしまったのは、期待感が大きかったというのもあると思いますし、たった一曲でプログラムを終わらせるならもっとやれよ、というのもあったと思います。終わったら大きな拍手と歓声で、あれ?という感じはしましたが、多くの観客は大満足のようでした。

インバルと都響は結構うまくいっているような感じで、実はそれによって無意識の手抜きが生じている感じでした。つまり、こうすればOKなんだよというメッセージを多く感じる演奏でした。それによって曲の持つ良さが中途半端になっていました。それが物足りなさです。ほら私達は上手でしょ、というのが伝わってきましたが、私としてはこの曲をもっと堪能したいんだよ、と言いたいです。例えばバイオリン、最初はいい音していると思いましたが、最後までそれだけなのでした。もっとなんとかできるはずなのに。小澤征爾さんがボストン響にいたときのこととして、現状でも十分なのだけれどもっともっと先を目指さないとうまくいかない、というようなことを言ってましたが、まさにそれではないかと思いました。

実は今回、気に入ったら定期会員になってもいいかなと思っていましたが、やめました。昔、都内のあるオケの定期会員になって数十年通っていましたが、当時、そこはメンバーが足りず、弦などはトラが常時いて、私の友人も出たりしていましたが、団員には弾けていない奏者もいて、聞きにきた友人が驚いていました。しかし、その頃の演奏の方が今回の都響の演奏より魅力がありました。演奏が終わって周りがいなくなり、ゆっくり帰ろうと立ち上がると、離れたところに同じようにずっと座っている高校生がいて、演奏の余韻をずっと感じている、そういう演奏する時があったのでした。

アマチュアの演奏は友人関係でよく聞きに行きますが、始まった瞬間に、なんてひどいモーツァルトだ、帰ろうかな、と思う団体もあれば、音大生も多くいてメンバー一人一人が上手な団体もありますが、意外と魅力のあるなしは上手下手とは関係なく、帰りたくなるようなモーツァルトでもまた聞いてみたいと思ったりします。もちろん、それは、指導しているプロの力が大きいと思います。私の場合、いくら上手なメンバーの団体でもどんな演奏になるかが想像できる場合、また行きたいとは思いません。どんな演奏をするかが想像できる場合というのは、演奏からどのくらい上手かしか伝わってこない場合です。もちろん、言葉を正しい意味で使うなら、そういう演奏は決して上手ではないのです。
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